第一部はお馴染みの大野勢太郎氏の司会でスタートした。以下に語られた内容を列挙する。
・どうして一からクラブを刷新しようと思ったのか?
塚本社長 事の始まりはチッタの辞任。ピッタにバトンタッチせざるを得なかった。ピッタに変わった後連敗し、監督を変えなければならないと思った。社長に就任した当初、つくづく思ったのはチーム、クラブ、そしてチームと間のコミュニケーションが悪かった。経営もチームもとにかく不安定で、原因はコミュニケーション不足だった。これを改善するためには、人事の一新が必要だと考えた。横山GM体制も長く結果が出ていなかった。
・チッタ辞任した顛末は?
塚本社長 不安定さは土台ができていないためと感じた。チッタは辞めてしまった。ピッタは選手に任せ過ぎていた。チッタが辞めたのは、コミュニケーョン不足が原因。現場の問題が社長まで届かなかった。チッタは天才肌で要望も多く、チームで孤立していった。社長と横山GMは責任を取り、報酬を1/10カットした。問題を上にあげないという、クラブの悪い体質が出てしまった。
・どうして森氏をGMに選んだのか?
塚本社長 人脈の多さ。塚本社長の良いGM像は、良い指揮官を連れてきてくれること。国内、海外に幅広い人脈をもっている。また、外からも批判的な視点をもって見てくれていた。森氏をGMにするための根回しの段階で、三菱自動車からは三菱内でのたらい回しにならないか? と言われた。
・GMへの要請はいつか?
森GM 就任要請はJリーグ最終戦の後、確か11月25日頃。予感もなく、W杯後までは見たい試合を見ていたかった。要請があった時は「え!?」とびっくりした。しかも、12月1日から来て欲しいというスケジュールにも驚いた(シーズンも終わっていないのに)。塚本社長からは「来年の監督を早く決めたい」と要請された。森GM自身は浦和レッズを心のふるさとのように思っているので、4、5日考えてから引き受けることにした。
どういう監督がいいか、12月7、8、9日くらいまで検討し6人くらいリストアップした(ヨーロッパ4人、ブラジル2人)。ブラジル選手がいたのでブラジル人監督も考慮した。最終的にはオフトかブラジル代表監督の経験のある人物に絞られたが、オフトの日本での経験を買った。とにかく早く馴染んで欲しいというのが決め手。オフトはカツ丼、幕の内弁当が好きというように、日本に馴染んでいる。今ではオフトで良かったと改めて思っている。
塚本社長 イメージしていたのはオフトだった。森GMがそう言ってくれると思っていた。「オフト、よくやった!」と心の中で思っていた。ディシプリンを重んじるという点から、この人しかいないと思っていた。即座に大賛成。オフトだったら監督と選手のコミュニケーションの問題をクリアできると思った。オフトに関しては、経営と強化が一致した。森GMにはレッズの「憲法」を作ってくれと頼んでいる。
森GM レッズは甘い、規律がない、厳しさがないと言うスタッフが多かった。グラウンドでも生活でも、分かりやすく選手はこうあるべきだというものを作っている(11項目くらい)。
・組織の大小に関わらず成功には何が必要か?
塚本社長 同じ方向を向いて力を合わせることが大切。これまでは1+1が2にも足りていなかった。
・今までやっていなかったから大変ではないか?
塚本社長 落合氏は練習後に必ず選手に声をかけている。そういったことから双方向のコミュニケーションができるようになるはず。
・組織の将来的な展望は?
森GM トップチームが強くなるためにはサテライト以下が一つの考え方、センスでサッカーをやることが重要。そうするためには色々なハードルがある。練習場、少年チーム(U-12)も持ちたい。
・トップから中学生までの指導者にコンセプトを示すのが大切ではないか?
森GM 選手はこうあるべきだという意識の元、指導を行なっていく。今でも週に1回のミーティングを行なっている。オフトは下部組織に興味を持っていて、ユースの試合を見に行きたがるが、まずはトップからとお願いしている。ピラミッド型で育てるノウハウは、オフト、ヤンセンから頂こうと思っている。
・練習場、クラブハウスは?
塚本社長 着々と進んでいる。2005年春には使用開始できるように進めている。美園地区の開発コンペティションに取り上げられたいと思っている。また、大原のB面は市が1.5億円以上をかけて改装している。東農大グラウンドも、一面を砂を入れ替えたり芝を育てたりしており、今年はもう一面にも着手したい。与野地区でも雨でも使える人工芝のグラウンドが持てたらいいと計画している。総合スポーツクラブとしての発展を遂げたい。他のチームの予算が苦しくなる時に、レッズは増えている。35~38億で維持できれば、グラウンドも確保できる。
来場者からの質問
・今年のスローガンは?
塚本社長 WITH ALL OUR HEARTSで、心を一つにすることが大切。
・経験のあるGKをなぜ補強しなかったのか?
森GM 選手の編成は11月30日に終わるというのが一つの理由。代表クラスのGKを取れるのが望ましいが、オフトと話をして(有望な新人をとったので)とにかくスタートして鍛えようということになった。弱点が明確になったところで補強をすることにした。正直今年の優勝は難しいと思っている。今年は3年後を見据えた土台作りになる。来年はステップアップ。今はGKが4人いる。財源も効率的に使わなくてはならない。
・今年の戦力で何位になれるか?
森GM 7位と言っているが、6位になると賞金が出るらしいのでそこを狙いたい(笑) 順位よりも土台を作ることがノルマ。成績だけにはこだわらない。
・旧体制から継承、決別したものは?
塚本社長 組織、選手は継承している。何を変えたかといえば不安定を取り除き、ある程度管理したい。社長の仕事としては年間の予算を30億から35億に伸ばしたい。悪い情報ほど、早く伝わる組織にを作りたい。